「こどものみかた春夏秋冬」
柴田愛子 著 100%ORANGE イラスト 繁延あづさ 写真/ 福音館書店
長男が生まれて、私の子育てが始まったころ、
『母の友』(福音館書店)という雑誌を読むようになりました。
中でも、「今月の子ども」という連載が大好きで、毎月最初にひらくページでした。
保育者の柴田愛子さんが、子どもたちの日々のを書き綴った短いエッセイなのですが、
柴田愛子さんの目線で描かれる子どもたちの世界に、
いつも「ああ、いいな」という感情がわいていました。
私は、まるで息子の連絡帳をひらくように、ドキドキしたり、切なくなったり、
嬉しくなったりしながら読んでいました。
この記事を楽しみにしている、読者の一人でした。
それが、巡り繋がって、また巡って__
この大好きだった連載が一冊にまとまって単行本になるというとき、
私の写真が使われることになりました。
なんと光栄なことだろうと、感謝するとともに、
こんなことってあるんだな、と、不思議な気持ちにもなりました。
そして、これはある意味、私の欲しかった本。
『こどものみかた 春夏秋冬』柴田 愛子 / 福音館書店
〝子どもの味方〟〝子どもの見方〟をかけあわせたタイトルも、
この一冊をあらわしています。
柴田愛子さんは、
子どもの言葉にならない声が、たくさん聞こえる人で、
子どもの見えにくい感情を、たくさん受けとれる人だと思います。
でも、それは特別な技術があるとかではなく、
柴田愛子さんの、子どもを見つめるまなざしによるもの。
ドラマチックな言葉はなく、
ポンポンと語られるちいさなエピソードの中に、
たくましく、鋭く、豊かで、不器用だけど、
抱きしめたくなるような子どもの世界が詰まっています。
子育て中のおかあさんに、保育に関わる人に、とてもおすすめな本です。
「あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます」
柴田愛子 著 / 小学館
写真を担当させていただいた本が、先日発売になりました。
絵本作家であり、保育者である、柴田愛子さんのご著書。
子育て中のお母さんの気持ちに寄り添い、我が子の声を聞こえやすくしてくれる本です。
2010年の夏の終わり、小学館の編集者Hさんに連れられて、〝りんごの木子どもクラブ〟に
初めてお邪魔しました。そして、その日の帰り際には、
代表の柴田愛子さんに「また時々、撮りに来させてください!」とお願いしていました。
私にとって、りんごの木の子どもの風景は、〝もっと見たい、つづきが見たい〟と思う風景だったのです。
そんなふうにして、ライフワークとして撮ってきた写真たちが、たくさん詰まった本になりました。
この本は、ジャンルで言えば、子育て本です。
ただ、もしかしたら、小さいお子さんを育てている方だけでなく、
もっと大きなお子さん、思春期のお子さんのお母さんやお父さんにとっても、
興味深い本かもしれないな、と思います。
私はこの本のゲラを読んだとき、いろいろなことが思い浮かびました。
小5の長男や小3の次男の、2歳の娘のことだけでなく、
夫とのこと、両親とのこと、そして自分のこと。
この本の巻末に、「りんごの木を撮りながら」という短いエッセイを寄稿させて
いただきました。よかったら、あわせてご覧になってくださいませ。